いまの派遣の生活がまぁまぁ満足な生活を送っていると、つい「今のまま一生派遣でもいいかな」という気持ちになってしまいますよね。
- 3年経って契約切られたら、また別のところ探せばいいや
- 派遣の案件はいつもたくさんあるから、職に困ることはなさそう
しかも、いま独身で、これからも結婚の予定はない!という人は
『今派遣で何不自由なく食べていけてるから、きっとこのままでも何とかなるだろう!』
とつい気楽に考えてしまうことが多いです。
でも、もしあなたが毎月のやりくりを何とかできている状態、または月に数万円しか貯金できていない状態ならハッキリ言って『超キケン』ですよ。
この記事の内容
「一生派遣でも大丈夫」の前に、あらゆるリスクを考えよう
まず、「このままずっと派遣でいよう」と考える前に、派遣でいることのあらゆるリスクを頭に入れておかなければなりません。
そのリスクは、大きく分けて以下の3つです。
- 突然の出費があった時に対応できない場合がある
- 次の派遣先がすぐに見つからないこともある
- 度重なる派遣法の改正でますますの派遣切りが心配される
その1:突然の出費があった時に対応できない場合がある
基本、派遣はボーナスや退職金がありません。
2020年からの同一労働同一賃金によって
「派遣にもボーナスが支払われる!」
「派遣にも退職金が!」
と期待している人も多いと思いますが、もちろん全ての派遣が必ずボーナスがもらえるようになるわけじゃないです。
ちなみに先日「非正規公務員にボーナス支給」という記事がありましたが、実態は「ボーナスを支払う代わりに月額を減らす自治体が多い」そうです。
非正規公務員、ボーナス出て月給減? 保育士一斉退職も/朝日新聞デジタル
月々のお給料が少ないことで一番怖いのは、突然の大きな出費があった時。
毎月の貯金で何とかなるかもしれませんが、すぐに底をついたり、下手したら足りない、なんてことにもなりかねません。
ちなみに私が実際に経験した「生活費以外の痛い出費」はこちらです。
- 家電が突然壊れる→買い替え
- 地味にかかる病院&薬代
- 大型連休翌月(給料少ない)の生活費のやりくり
- 車の維持費、壊れた時の修理代+車検
- 住んでいたアパートの更新料(家賃1ヶ月分)
- 冠婚葬祭(20代→友人の結婚/30代以降→毎年のようにある法事)
そして経験上ですが、痛い出費は重なることが多いんですよね。
【昨日の出来事】
・突然電子レンジが壊れ、急遽新しいものを購入▲36,000円
・今月で車検が切れることに気づき、慌てて予約の電話▲8万(予定)
・車の水温計ランプが赤く点灯→車屋で対応できず、近々ディーラーへ▲未定突然の出費が多すぎて頭パンクした。
日々の貯金の大切さを改めて痛感したよ…— さくら@派遣10年から正社員 (@SakuraToDream) December 1, 2019
これが冷蔵庫、洗濯機、車の寿命なんて来てしまった日には溜まったもんじゃありません。
「車なんてローン組めば問題ないでしょ!」と思うかもしれませんが、実は、派遣社員は正社員に比べて車のローン審査は結構厳しめです。
特に金利の低い金融機関のマイカーローンはなかなか難しいですし、晴れてローンが通ったとしても、高い金利のものだとその分支払いが大変になってしまいます。
✔これに加え「老後の蓄え」が必要になる
そして、さらには派遣社員も同様に「老後の資金」が重くのしかかってきます。
ちなみに多くの会社員は、老後の資金を退職金でカバーしようとしますが、正直派遣社員の退職金は現時点で「期待薄」ですね。
派遣業界に属している者です
来年の派遣法改正で
同一労働同一賃金がはじまります派遣社員に対して
退職金をつける
(時給の6%分、時給アップ)それを企業に交渉してますが
ほとんどの会社は
派遣料金上がるなら
派遣使わないと言ってきます
派遣は
都合のよい労働力と
見なされてしまってる…😱 https://t.co/xeAARex4dt— いーさ💫シンママ育ち希望の星 (@usg113bkw) November 25, 2019
ちなみに老後と言えば、金融庁が「老後資金に2,000万必要」との報告書を提出して話題になりましたよね。(引用:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書)
これには賛否両論ありますが、もし仮に本当に2,000万必要だとして。
30歳からゼロスタートで65歳までに2,000万を貯めるとしたら、老後のためだけで毎月必要な貯金額は「55,000円」です。
そう考えると、毎月1~2万プラスになったからと言って
「今月も黒字だ!派遣でいても、ずっとこのままの生活は何とか確保できそう♪」
と考えるのはとても危険な考えだということが分かりますね。
その2:次の派遣先がすぐに見つからないこともある
派遣社員の何が厳しいって、やはり「雇用が安定しない」ということではないでしょうか。(車のローンもこれが原因で落ちてしまうことも多いです)
たとえ今までずっとひとつの会社に派遣社員として働いてきた人も、派遣法が改正されたことによって「3年で派遣先を変えないといけない」という状況に変わってしまいました。
また、派遣社員の平均年齢が上がってきているとは言われていますが、それでも30代後半、40代と年齢が上がるにつれて何か強みとなるスキルがないと、なかなか仕事が決まりにくくなってしまいます。
同じスキルの20代と40代がいたら、ほとんどの企業が20代の派遣社員をとるでしょう。
本来は年齢で採用するのはNGなのですが、実際そういう派遣先、多いですね、、。
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30代派遣はやばい?仕事が決まらない状況を脱却する3つの方法
続きを見る
そんな状況で派遣の仕事を勝ち取る作業を、それこそ「3年ごと」「定年まで」毎回行わなければならないのって、とてつもなく大変じゃないでしょうか?
その3:度重なる派遣法の改正でますますの派遣切りが心配される
先ほど同一労働同一賃金にもちらっと触れましたが、国は派遣の雇用を何とか安定させよう!とここ数年色々な改革をしています。
国の施策
- 同じところで3年働いたら派遣先の直接雇用に申し込めるようにしよう!
- 同じところで3年働いたら派遣会社の無期雇用社員への道も与えよう! etc・・・
ですが、実際にこれによって引き起こしているのは雇用の安定どころか「不安定」です。
特に「派遣切り」は深刻ですね。これは、2020年の同一労働同一賃金によってまた増えるのではないかと心配しています。
最近はコロナの影響での派遣切りも相次いでますよね。
ずっと派遣で働くのなら、こういった事態もある程度覚悟しておかないといけなくなります。
ちなみに派遣切りについては以下に関連記事を貼りますので、あわせて参考にしてください。
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過度な期待は禁物!「同一労働同一賃金」で派遣切りはさらに増える
続きを見る
派遣の人が生き残る道
上記のことからも分かる通り、「一生派遣」はかなりリスキーな生き方です。
ただでさえボーナスや退職金が期待できない中で、
- いつ仕事が無くなるか分からない
- 正社員に下に見られることが多い
といったこともあるので、精神的にも不安定になりがちです。
しかし、だからと言って「派遣の人が生き残れる道が全くない」と言いたいわけではありません。
そこで私がおすすめするのが、以下の5つの方法です。
- できるだけ時給の高い仕事に就く
- 節約しまくる
- お金を副業で増やす
- 派遣元の無期雇用社員になる
- 「派遣」という雇用形態から卒業する
できるだけ時給の高い仕事に就く
今の時給で生活ギリギリなのだとしたら、今度は今よりも高い時給の仕事に就くとそれだけで月にもらえるお金が全然違ってきます。
とはいえ、時給の高い仕事ってそれなりにスキルが求められますよね。
そこでおすすめなのが、「資格を取ること」+「その実績を残すこと」。
資格を取るだけでもすごいのですが、その実務経験があることでより周りの評価が高まります。
派遣先の評価はダイレクトに派遣会社に伝わりますので、次の仕事を探す時に今よりも時給が高い案件を紹介してもらえる可能性もグッと上がっていきます。
節約しまくる
毎月もらえるお給料が変わらないのであれば、今できることはずばり「節約」です。
節約と言うと大変なイメージがありますが、普段の生活をちょっと変えるだけでグンとお金は貯めることができます。
ちなみに私は派遣時代、月収18万のうち毎月最低5万円を貯金することに成功していました。
▼私が毎月5万円を貯めるために行ったことまとめ▼ 続きを見る
【月収18万で月5万】一人暮らしアラサー派遣が毎月貯金するためにした3つのこと【貯金できない、を解決】
また、固定費を全て楽天カード払いにしてポイントをめちゃくちゃ貯めることにも成功しています。
参考記事派遣社員がクレカ持つなら「楽天カード」1枚で十分です【理由は3つ】
節約は結果が目に見えますし、やり過ぎて損なことはないです。
これを機会に毎月の出し入れを見直してみると、意外と節約できる部分がたくさんあることに気付くはずですよ。
お金を副業で「増やす」
また、節約で「出るお金を減らす」という方法もありますが、それよりも楽にお金が溜まるのが「副業で増やす」です。
2019年現時点で、大手派遣会社ではスタッフサービス以外は副業OKとされています。
(とは言え、本業の派遣に少しでも支障が出るようなら即「NG」になってしまうので、その点だけ気を付けなければなりません。)
副業として個人的におすすめしているのは「バイトの掛け持ち」ではなく「在宅でできる仕事」です。
時間のスケジュール調整や人間関係など、掛け持ちは心身共に大変になってきます。
在宅でもライティングなどでがっつり稼ぐことはできますし、アンケートやポイ活でもコツコツですが今よりは確実にお金を増やすことができます。
とは言え、在宅ワークの中には怪しいものも少なからずあります。(絶対に引っかからないように!)
なので下記記事では「無料でできる」「怪しくない(実践済み)」そして「今すぐできる」副業&ポイ活についてまとめました。
1日数十分でもスキマ時間のある人は、ぜひその時間を「稼ぐ時間」にシフトしていってください。
派遣元の無期雇用社員になる
「次の派遣が決まるまでお金が無いなんて不安だ…」
という方は、派遣元の「無期雇用社員」という選択肢もあります。
無期雇用社員と言っても、正社員ではなく派遣社員なので、「一生派遣」というあなたの希望はそのままです。
そして、それに加えて無期雇用社員の場合は、次の派遣先が決まるまでの『待機期間』の間もお給料が発生します。
また、
- 定年まで継続して仕事がある
- 会社によってはボーナスや交通費がでる
といったメリットもあります。
ただ、派遣先の会社も基本的に「派遣会社」が決めるので、中には希望でない職場勤務を命じられることもあり得ます。
(希望は多少考慮してくれますが、絶対ではないです)
正直「一生派遣で働きたいなら無期雇用派遣という選択肢もあるけど、デメリットも結構あるから微妙かな」というのが率直な感想ですね。
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無期雇用派遣はデメリットしかないと思っているあなたへ。その考え間違っていません。
続きを見る
※それでも無期雇用派遣が気になる!という方はこちらの記事をどうぞ
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無期雇用派遣6社を分かりやすく比較。特徴(メリット)に大きな違いあり!
続きを見る
「派遣」から卒業する
「一生派遣」と考えているのに水を差すようで申し訳ないのですが、やはり何だかんだ言って「派遣ではなく正社員を目指す」のが一番安定しますし、精神的にも安心します。
これから一生生きていくのなら、できるだけ早い段階で派遣社員から卒業して「正社員」への道を選んだ方が賢明です。
ちなみに私は30代でハローワークを使って転職活動をして20社以上落ちました。(うち受かった1社はブラック)
しかし最終的に「紹介予定派遣」でホワイト企業に正社員前提として受かることができました。
紹介予定派遣は正社員の転職並みの面接がありますが、それでも「ガチガチの正社員」よりはハードルがやや低めです。
また最長6ヶ月の試用期間があるので、実際に正社員になって「最悪な会社に入ってしまった」と後悔する危険性を回避することができる点もおすすめです。
紹介予定派遣の他にも、転職サイトや転職エージェントを使って正社員に転職する方法もあります。
いま少しでも派遣という雇用形態に不安を感じているのなら、次の更新時にあわせて「派遣からの卒業」を視野に入れて行動するようにしましょう。
参考記事【20代&30代】派遣から正社員へ!転職経験者が伝える2つのNG行動&具体的手段
まとめ
今の生活が何とか成り立っているからといって、これから先もずっと安泰とは限らないです。
くれぐれも、年をとったあとに「こんなはずじゃなかった」と思わないようにしてください。
本気で「一生派遣で働く」と決めたなら、十分な備えとそれなりの覚悟を持って、後悔のない選択をするようにしましょう。
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