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派遣の退職金、実際はどう?【退職金割合が6%から5%に】

こんにちは、さくら(@SakuraToDream)です。

派遣社員の退職金について、ちょっと前にツイッターで話題になりましたよね。

発端は日経新聞のこの記事。

「派遣社員にも退職金」定着 事業所の77%、厚労省集計

なんと、派遣事業所の約77%が「派遣事業所に退職金制度がある」ということが分かったんだとか!

ちなみに、法的には2020年の派遣法改正により派遣社員にも退職金が支払われるようになりました。

ただ、これを見て

「派遣社員も退職金あるんだ!」
「正社員と何ら変わりないじゃん!じゃあ派遣でいいんじゃない?」

と思ったあなたは要注意です。

というのも、派遣社員の退職金は正社員のそれとは全く違うからです。

条件によってはもらえない人もいるよ!

というわけで今回は派遣の退職金の「実際はどうなのか」といったリアルな現状について書きたいと思います。

派遣の退職金制度、実際はどう?

先ほども言ったように、派遣社員の退職金は正社員のそれとはかなり違います。

その理由は主に以下の3つ。

  • 退職後にたくさんもらえる「あれ」ではない
  • 実際は「もらってない」と感じる派遣社員が多い
  • 退職金割合が6%から5%に減る

早速見て行きましょう。

退職後にたくさんもらえる「あれ」ではない

退職時と言うと、会社を辞める時に一気にもらえるイメージがありますが、派遣社員の多くはそうではありません。

詳しい仕組みについては後述しますが、派遣社員の多くは

毎月の時給に退職金分がプラスされて

支払われています。

正社員のように退職時に一気にもらえないので、その点は正社員とは全く異なります。

実際は「もらってない」と感じる派遣社員が多い

では、実際に退職金を受け取っている派遣社員はどう感じているのでしょう?

と、かなり不満な声が多く見られます。

というのも、本来時給に退職金がプラスされる場合の計算式は

「基本給+賞与」に6%をかけたもの

となり、以前より退職金分が増えているはず。

なのですが、派遣社員によっては

これまでともらえるお金が変わってない(時給は変わらず、内訳に『退職金』が含まれただけ)

微々たる額しか増えていないから、これが退職金だと思わなかった

退職金について担当者から何も言われていない

というケースが相次いでおり、実際は退職金を受け取っている実感がない派遣社員が多いんです。

今までと変わらないなら「退職金は出ていない」と感じるのも納得です。

退職金割合が6%から5%に減る

今現在、前払い式で退職金をもらう場合の退職金割合は「一般基本給+賞与の6%」と定められています。

それが、令和5年度(4月~)は6%から5%へと変更になります。

局長通達全文
https://www.mhlw.go.jp/content/001059098.pdf

これによって考えられるのは

  • これまでよりもらうお金が減る
  • 時給は変わらず、内訳だけ変わる

本来は①のはずですが、派遣会社によっては②もあるかなと思います。

元々時給が増えていない人は、減りようがない(むしろこれで減ったら困る)ですよね

そもそも派遣の退職金制度はどうなってるの?

退職金制度の支給方法はどう決まる?

退職金の支給方法については、まず派遣会社が「派遣社員の賃金待遇」として

  • 派遣先均等・均衡方式
  • 労使協定方式

のどちらを選択しているのか、がカギとなります。

派遣先企業に合わせる「派遣先均等・均衡方式」

ポイント
  • 派遣先の正社員と仕事内容(配置転換の範囲、責任の程度、人事異動の範囲などを含む)が同じ場合、その正社員と同じ待遇になる
  • 仕事内容が違う場合は、そのバランスを考えて不合理のない待遇にする

派遣社員のメリット
・どの派遣会社から働いても時給が変わらない

派遣社員のデメリット
・派遣先が変わった時に(大手から中小など)給料がガクンと落ちる可能性がある

 

 

パターン2:派遣会社に合わせる「労使協定方式」

 

ポイント
  • 派遣会社が締結する「労使協定」の内容に沿った待遇になる

(労使協定・・・毎年厚生労働省が定める「一般労働者の賃金水準」以上になるのが前提。計算方法や参考とする統計にいくつかの選択肢がある)

派遣社員のメリット
・派遣先が変わっても給料が変わらない

派遣社員のデメリット
・同じ仕事をしていても所属する派遣会社によって時給が違ってくる
・個々のスキルが反映されにくい

ちなみに、約9割近くの派遣会社がこの2つのうち「労使協定方式」を選んでいます。

そして、退職金制度はそれを元に4パターンに分類されます。

退職金の支払い方法

派遣先均等・均衡方式
労使協定方式
  • 派遣先企業の退職金制度
  • 前払い制度
  • 退職金制度
  • 中小企業退職金共済等への加入

前払い制度

時給に退職金が含まれている

メリット

毎月の給料が増える

短期間の派遣でも受け取れることが多い

デメリット

退職時に一気にもらえない

給与として支払われるため、所得税や住民税の課税対象となる

退職金制度

局長通知で示されている基準と同等以上の退職一時金が支給される

メリット

退職時に一気にもらえる

同じ派遣会社での勤続年数が増えるほど金額も増える

デメリット

受け取るには勤続3年以上必要などの条件が発生する

中小企業退職共済制度

派遣会社が「中小企業退職共済」に掛け金を払うことで、派遣社員は退職時に退職金が支給される

メリット

自己都合退職でももらえる額は変わらない

デメリット

12ヶ月掛け金を支払わないともらえない

あくまでも中小企業向けであって、大手派遣会社利用時は適用されない

いざ退職金をもらう時は自分で手続きをしないといけない

このうちどれにするか?を決めるのは「派遣会社」です。(派遣社員には決定権がありません)

ちなみに、日経新聞の記事によると一番多いのが「前払い制度」、次に「退職金制度」、最後に「中小企業退職共済制度」の順になっています。

【派遣会社】退職金の支給方式
前払い制度
56%
退職金制度
28%
中小企業退職共済制度
7%

大手派遣会社の退職金制度は?

では、大手の派遣会社はどのような方式をとっているのか?

分かる範囲でまとめました。

ご覧の通り、多くの大手派遣会社が「前払い方式」を選択しています。

ただ、多くの派遣会社は公式サイトを見ても退職金支払い方法について載っていません。

なので、今の支払い方法が知りたい!という人は、

  • 雇用契約を結んだ時に渡された「労働条件通知書」を確認する
  • 直接担当に聞く

などして、今の状況をしっかり把握するようにしましょう。

微々たるものでも、トータル結構もらえる

ちなみに、時給に上乗せする退職金ってものすごく微々たるものですが、トータルすると結構もらえます。

たとえば、時給1400円に5%上乗せの場合。

1400×0.05=70円

1時間に70円かよ!と思いがちですが、これを1日8時間、月20日、3年勤務で計算すると

70×8×20×36=403,200円

退職金として、約40万もらえるという計算式になります。

もしあなたが今の「退職金の時給額」に不満を持っているのなら、一度トータルでいくらもらえるか計算してみてください。

意外と結構もらえているかもしれません。

まとめ

理想は「時給にも満足!それに退職金も上乗せされて、計算すると結構もらえる!ヤッター!」

なのですが、実際はそううまくもいかず、モヤモヤしている人も多いです。

また、退職金割合も6%から5%に減ったことで今後の不安も少なからずあります。

まずは今もらっている(はず)の退職金がどうなっているのか確認をする。

その上でどうしても不満があるなら別の派遣会社を検討したり、場合によっては正社員転職を検討するのもひとつの手だと思いますよ。

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