パソナの無期雇用はひどいってよく聞くけど、実際どうなの?
無期雇用派遣を検討してるけど、パソナはやめといた方がいいのかな…。
実際にパソナの無期雇用になった人の口コミも知りたいな。
というわけで、今回改めて「パソナの無期雇用」について調べてみました。
チェックリスト
- パソナの無期雇用は本当にひどいのか?
- ひどい場合、どうひどいのか?
- 実際にパソナの無期雇用派遣を利用した人の口コミは?
このあたりを調べようと思います。
今まさにパソナの無期雇用を検討している人の参考に少しでもなれば幸いです。
この記事の内容
パソナの無期雇用には2種類ある
その前に、まずパソナの無期雇用には「プロ社員途用制度」「無期雇用派遣社員制度」とがあります。
この2つの違いは
- プロ社員の方が、よりプロフェッショナルな仕事をする
- プロ社員には特別休暇制度がある
他にも細かなことはあるかもしれませんが、ボーナスや交通費などの手当について書かれていないため、基本「同じ」と考えて良さそうですね。
↓HPによると、違いは思い「特別休暇制度の有無」「研修制度等の導入」とあります。
パソナの無期雇用の「ひどい」実態
おそらく、パソナの無期雇用が話題になったきっかけは、就業規則に「30日派遣先が見つからなければ解雇」とあったからだと思います。
(退 職)
第46条 スタッフは、次の各号のいずれか一に該当するときは退職する。5)第3条第1項乃至第3項又は第4条第1項乃至第3項に基づき会社がスタッフに指示すべき就業場所及び業務を1か月間確保できず、会社がスタッフに指示できない旨を通知した日から暦日数30日が経過したとき。
定年まで無期で継続して働けるのが無期雇用の最大のメリットなのに、これじゃあ何のメリットもなくなりますよね。
しかも派遣会社のせいで解雇というのも、何とも腑に落ちないです。(待機期間に生じる賃金を払いたくなかったのではないか?と疑ってしまいます)
ただ、こちらに関しては厚生労働省がツイッターで注意喚起する事態にまで発展し、その後パソナは「誤解を招く」として当該部分を削除しています。
【派遣で働くみなさまへ】
以下は、派遣法違反の可能性があります。
①無期雇用に転換後、1か月派遣先がなければ、辞めてもらうと言われた。
②3年の派遣期間制限のため、次の更新はないと言われた。
この他、派遣でご相談があれば、お近くの労働局まで。https://t.co/ZE9PDHBcYg— 厚生労働省 (@MHLWitter) September 25, 2018
↓
パソナ削除(パソナの公開文「本日の一部報道につきまして」)
とは言え、こんな情報も。
@chiduko916#パソナ の無期雇用規則について『1か月間確保できず』『暦日数30日が経過したとき』の期限の記載は無くなったが、『派遣先が確保できない場合は退職』の記載は変わらずあるとの情報がありました。
それでは期限の制約が無くなりより条件が悪くなっているのではと懸念しています。
— 派遣社員News【公式】 (@haken_news) November 26, 2018
パソナの無期雇用規則について『1か月間確保できず』『暦日数30日が経過したとき』の期限の記載は無くなったが、『派遣先が確保できない場合は退職』の記載は変わらずあるとの情報がありました。
ん?ただ「30日」という期限がなくなっただけ・・・?
だとしたら、派遣先が見つからない=解雇される危険性が未だにあるということですね。(ただ、情報が定かではないため未確定です)
パソナの無期雇用は「交通費支給&時給が下がる」
また、パソナの無期雇用は「交通費が支給される分、時給が下がる」という仕組みになっています。
外部サイト<働き方改革の死角>手当増 給与減の怪 派遣社員「納得できない」
記事の概要
- 2018年6月から、パソナの無期雇用は希望者に交通費を「上限1万円」支給している
- 交通費が支給される場合、代わりに1時間当たり60円下がるようになった
交通費支給で時給が下がるのはもはや「無期雇用あるある」ですね。
ちなみにこの記事によると、パソナだけでなくテンプの無期雇用も同じことが起こっているそうです。
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「無期雇用派遣になったら時給が下がる」はよくある事。大手派遣会社も例外ではない
派遣会社の無期雇用派遣に興味があるけど、担当者から「今より時給が下がります」と言われた! これってどうなの?あり得なくない??と理不尽に思う人は多いのではないでしょうか? ...
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とは言え、パソナの交通費上限1万は、他社の無期雇用にくらべて「安い」です。
マンパワーの上限額は分かりませんでしたが、少なくとも他の大手派遣会社は全額支給がほとんどです(少なくとも3万)。
派遣会社 | 交通費 |
テンプスタッフ | 全額支給(会社規定内) |
アデコ | 全額支給(非課税上限内) |
スタッフサービス | 全額支給(会社規定内) |
マンパワー | 上限あり |
リクルートスタッフィング | 上限3万円 |
パソナ | 上限1万円 |
なので交通費が1万以上かかる、または残業が多い派遣先の場合は正直「交通費支給」を選ぶメリットはないですね。
実際、無期雇用社員の半数以上が交通費支給を選択していないそうですよ。
現在は同一労働同一賃金により状況が変わってるかもです。(ただし、現場の声が全く聞こえてこず未確定)
パソナの無期雇用は派遣先がリアルに「読めない」
もともと、無期雇用は派遣先を自分で決められない(派遣会社が決める)というルールがあります。
しかしパソナはそれに加えて「働く1週間前にいきなり言われる」可能性があります。
会社はスタッフに対して、1 週間前までに通知することにより就業場所及び業務を、前項で通知した就業場所以外の就業場所、会社が請け負った若しくは受託した業務実施場所、及びその就業場所等の業務に変更を命じることがある。
この場合の就業日、就業時間、休憩時間、給与及びその他労働条件は会社が当該変更通知でスタッフに示し、スタッフはこれに従うものとする。
これは最新の就業規則ではないので今もそうかは定かではないですが(外部記事から引用)、30日で解雇案件のように削除をしていない限り、現在もこちらの規則が記載されている可能性が十分にあります。
1週間ギリギリになって派遣先を教えられるなんて、考えただけで怖いですよね…。
しかも交通費上限1万で契約していたら、場合によっては大損するかもしれません。(途中で変更できるかは不明)
ちなみに他の派遣会社の無期派遣従業員就業規則もいくつか読んだのですが、「いつまでに」という期限が書かれているところはありませんでした。
わざわざ「1週間前」という記述があるということは、実際にそういったケースが少なくないということかもしれません。
パソナの無期雇用はボーナス、退職金が支給されない
そしてパソナの無期雇用は、ボーナスおよび退職金は支給されません。
これは「プロ社員」も同様だと思います。応募要項に書いていない以上「ない」と考えて良いでしょう。
大手派遣会社と比較してみるとご覧の通り。少なくともボーナスは支給されるところがほとんどです。
派遣会社 | ボーナス支給 |
テンプスタッフ | あり(年2回) |
アデコ | なし(アデコ2.5)、キャリアシードはあり |
スタッフサービス | あり(年1回?) |
マンパワー | あり(年1回) |
リクルートスタッフィング | あり(年2回) |
パソナ | なし(プロ社員もなし) |
正直、無期雇用になって交通費は微妙、ボーナスなしじゃあ有期雇用派遣とあまり変わらないなぁと思ってしまいます。
パソナの無期雇用派遣制度を使った人の口コミ
では、実際にパソナの無期雇用を利用した人はどう思っているのか?
ネットと実際にとったアンケートの口コミをご紹介します。
パソナで無期雇用になったけどずっと時給で1円も変わってない。
派遣先によるのかもだけど、今の派遣先9年目で、人間関係は最高だけど会社として派遣は使い捨てのスタンス。
居る分にはいくらでも居てくれていいけど直接雇用とか夢にも思わないでねって無言の圧力を感じる。
無期雇用になって時給が下がった
無期雇用派遣になったら給料が前よりあがる人が多いと聞いていたが、無期雇用派遣の前は時給で2000円で月に25万ほどもらっていたのに対し、無期雇用派遣になった際には月20万ほどになり、時給換算をしても1500円ほどになってしまった。
また、辞める時に契約のルールで他の派遣会社で働くのは最初の間は辞めて欲しいと言われた。

かえって働きにくくなった
フレックス制度を利用しており、無期雇用社員後もフレックス利用可能と聞いていたが、実際は周囲の同調圧力によって使いずらい環境になってしまったので辞める決意をした。
残念ながら、あまり良い口コミが無かったです・・・。
ちなみにさらにネットで検索をしてみたところ、無期雇用ではないのですがパソナの「契約社員」についてこんな口コミも発見しました。
私前にパソナからパソナの契約社員の紹介あったんだけど、
・交通費なし
・履歴書持参でパソナで面接
・担当営業なし
・幅広い仕事を任せてもらえます!とかで、どう考えてもブラック臭すごかった 。
この条件さ、スタッフのことなんて全然考えてないよね…。
担当営業なしということは、こちらも積極的に勤務先を確保してくれない可能性があるのかも…?
もちろんネットや独自調査のアンケート結果なので本当かどうか分かりませんし、全員に当てはまるとも限りません。
また、パソナの「通常派遣」については良い口コミもあります。
ですが、少なくともそれ以外、特に無期雇用に関しては「良い噂がほとんどない」という結果になりました。
無期雇用派遣=「有期派遣より好条件」では決してない
今回はパソナの無期雇用についてクローズアップしましたが、私はそもそも無期雇用自体をおすすめしていません。
その理由は色々ありますが、
- 結局、正社員とは全く違うから
- 派遣会社の駒として働くことになるから
この2つが大きいです。
特に、やはり派遣先が自分で選べないのが痛いですね。
無期とは言えずっと同じ派遣先で働ける保証はどこにもないですし、次の派遣先が遠かったら正直泣きたくなります。
(地域指定はできますが、派遣会社によっては「県内」という広い範囲のところもあります)
派遣先が嫌で辞めるとなっても、有期派遣のように「次の契約で辞める」といったことができませんし、派遣会社の社員として働いているので正直簡単に辞めづらい雰囲気はありますね。
とは言え、有期派遣(通常派遣)も今後同一労働同一賃金による「派遣切り」が心配されているので、ぶっちゃけ有期も無期も派遣の将来は「明るくない」です。
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正直に言うと「無期雇用はやめておけ」です
じゃあ、ずばりどうしたらいいか?
派遣10年選手だった私が言います。
無期雇用や契約社員になるくらいなら、はじめから「正社員」狙ってできるだけ早く転職した方がいいです。
無期雇用は正社員とほぼ同じと考える人が多いですが、ハッキリ言って全然違います。
職場安定、給料安定、昇給あり、ボーナスあり、退職金あり、親に安心させられる、など数え上げたらキリがありません。
ちなみに「正社員なんて無理」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
かくいう私も派遣10年、30代というスペックでホワイト企業の正社員になることができました。
23歳でブラック企業に入社し
24歳から約10年間派遣を転々とし
30過ぎで転職活動をして20社以上惨敗し
内定をもらった企業で女性社員によるイジメに遭い
その後紹介予定派遣を経て、無事今の会社に正社員として入社することができた。
人間、腐らなければ何とかなる!
あせらず前を向いて行こう!
— さくら@元派遣10年 (@SakuraToDream) July 20, 2019
ずばり、秘訣は「諦めないこと」。
転職活動はたしかに大変ですが、少なくとも半永久的に無期雇用派遣で働くよりも未来は明るいですよ!
まとめ:パソナの無期雇用の条件はあまり良くない
今回パソナの無期雇用について改めて調べて、また他の大手派遣会社と比較してみても「あまり良い条件ではないな」というのが正直な感想です。
ひどいかひどくないかと言ったら、現時点では正直ひどいですね。
もちろん、今後は「同一労働同一賃金」で今より待遇が良くなることが予想されますが、これも派遣会社によって賃金が変わってくるため、どうなるか分からないのが現状です。
パソナも含め無期雇用派遣を検討する場合は、同一労働同一賃金の「その後」も併せて考えるようにしましょう。
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