無期雇用派遣ってぶっちゃけどうなんだろう。
デメリットしかないって声もあるし…やめておいた方がいいのかな?
ハッキリ言います。その考え、決して間違ってません。
無期雇用派遣について調べると
- 定年まで安定して働ける
- 今の派遣先でずっと働ける
- 月給制になっていざという時も安心
と、まるで正社員並みのメリットが挙げられていますが、無期雇用派遣は正社員と待遇がまるで違います。
そこで今回は、無期雇用派遣のデメリットを、X(旧ツイッター)の口コミと共にご紹介いたします。
今まさに無期雇用派遣になるか考えている人は、本記事を参考にした上で「本当にあなたにとって良い制度かどうか」を検討してください。
無期雇用派遣とは?通常派遣と何が違う?
無期雇用派遣は、派遣社員が派遣先企業で働くという点は通常派遣と同じです。
ですが無期雇用派遣は
- 定まった契約期間がない
- 派遣先との契約が解除された場合でも派遣会社との雇用契約は継続される
という違いがあります。
通常派遣だと同じ派遣先に長くても3年までしかいれないので、ここは大きいですね。
無期雇用派遣はデメリットしかないと言われる5つの理由
ずばり、「無期雇用派遣はデメリットしかない」と言われるには主に次の5つの理由があります。
給料が減る可能性がある
無期雇用派遣は、ほとんどの派遣会社が『働く地域によって』月給額が決まります。
その額は派遣会社によって異なりますが、おおよそ月20万前後。
ここにボーナスや昇給が加わって、年収はだいたい300万円前後になると予想されます。
ただし、これは東京の場合で、その他の地域になるともう少し下がります。
またファンタブルに至っては「東京で年収270万~」とあったので、場合によっては派遣で働く時給よりも下がる可能性もあります。
▼上がったのは「たった3割」というデータも▼
まずは、今の年収と比較してみてください。
明らかに下がる、または変わらないようなら、無期雇用派遣の金銭面でのメリットは最初から期待しない方が良いでしょう。
ツイッターの声
派遣で働いている友人が全員、無期雇用転換すると給料下がって待遇悪化するから年内に転職すると言っていて、なんていうかもぅ…私よりみんな優秀だしコミュ障でもないし、資格とかももってるのに…。
— 黒猫 (@ashchachi) July 11, 2018
まとめ
いくらボーナスが支給されても、トータルでもらえる給料が少なくなってしまったら意味がない
派遣先を選べない
無期雇用派遣の【派遣先】は、基本的に「派遣会社によって」決定されます。
希望条件やスキルなどはある程度考慮されますが、今までのようにピンポイントで「コレ!」といったものを選ぶことはできません。
「〇〇駅から〇〇駅までの範囲で」や「残業時間10時間以内」など細かいのは無理です。
ちなみに、多くの派遣会社の派遣先範囲が「自宅から90分以内」になってます。(マンパワーのM-Shineは1時間45分以内。)
サービス名 | 派遣先範囲 | 交通費 |
---|---|---|
ミラエール | 自宅から90分以内 | 全額支給(一部上限有り) |
キャリアウィンク | 自宅から90分以内 | 上限3万円 |
M-Shine(エムシャイン) | 自宅から1時間45分以内 | 上限3万円 |
funtable(ファンタブル) | 自宅から90分以内 | 上限3万円 |
CAREER-SEED(キャリアシード) | 県内採用 ※東京は23区とそれ以外に分かれる (通勤時間の記載なし) | 全額支給 |
マイナビキャリレーション | 自宅から90分以内 | 上限3万円 |
※実際に1時間半かかる会社に派遣された人は「キツイ」と言っていました。
ですが、無期雇用派遣は基本的に紹介された派遣先は断ることができません。
ちなみに、派遣会社は無期雇用のスタッフに『仕事をしていない期間』(待機期間)でもお給料を支払わないといけません。
なので、その期間を限りなく少なくするためにもできるだけ早く次の仕事を紹介してきます。
つまり、時にはそこが
- 労働環境があまり良くない会社
- 人手不足のところで誰でもいいからすぐに人が欲しい
なんて案件に当たる可能性もゼロではないです。
それでも基本文句が言えなくなってしまいますし、紹介されたところを次々と断っていたら業務放棄で最悪解雇されてしまいます。
無期雇用になって今の派遣先でそのままずっと働ければ万事OK。
ですが働けなくなった途端色々な会社をたらい回しにされる可能性がある、というのはかなりの負担になることは間違いないです。
ツイッターの声
【無期雇用になって次の派遣先決定かも?】
派遣の営業が来年1月から働く(かも?)派遣先を持ってきた。
新宿区から大田区へ…(かなり遠い)
残業多め…時給変わらない…なんだろ、あまり嬉しくない。
マイナス気分なんだけど、、、w誰かプラス要素教えて〜!
— なまれば (@namarebatabeta) October 25, 2018
まとめ
派遣会社に紹介された派遣先がサイアクなところだったら一気に地獄へ
同じ派遣先でずっと働ける保証がない
無期雇用になることで3年の縛りはなくなりますが、一生そこで働ける保証はどこにもありません。
契約期間はないけれど、通常派遣の時と同じように会社の都合で働けなくなってしまうことは普通にあり得ることです。
「ずっとここで働き続けたかったから無期雇用を選んだのに!」と思っても、派遣先には関係ないことです。
あなたを直接雇用せずに切ってしまうということは、言ってしまえば「しょせん派遣の一人だった」ということ。
残念ですが、その場合はまた他の派遣先で一からスタートということになります。
ツイッターの声
派遣切り始まったー。
無期雇用登録だろうが、次の仕事先が無ければ同じ事…。
— もっちゃん (@ta_signal_ta) July 9, 2019
まとめ
いくら好きな派遣先でも、無期雇用派遣になったからと言ってずっとそこで働ける保証はどこにもない
正社員には結局なれない
無期雇用派遣は月収制度が多く、中にはボーナスもあったりで表向きの待遇は「正社員と全く変わらない」と考える人も多いと思います。
ですが、ふたを開けると年収が雲泥の差であることも少なくないですし、派遣先の直接雇用になれたとしても「契約社員」の可能性が高いです。
「社員を目指せる」「直接雇用実績〇〇人」と謳っている無期雇用派遣も、正社員の文字はひとつもありません。
中には正社員になれた人ももちろんいますが、あくまでも「直接雇用」と謳っている以上、正社員になれる可能性は決して高くないと考えておいた方が良いです。
現に、無期雇用になってから辞める人も少なくないですし、しかもその大半は正社員に転職しています。
そういったことからも、いかに無期雇用が「精神的に不安定なものか」ということが分かると思います。
ツイッターの声
無期雇用派遣なのですが、派遣元はテレワーク開始、派遣先もテレワーク開始。で、私は出勤しないとお給料なし。無期雇用派遣って、都合の良い女みたいね。稼いで貢いでる感じ
— s.y (@7254sato) April 12, 2020
まとめ
本当の意味での安定は、正社員になることでしか叶わない
選考が正社員並みに厳しい
そして残念ながら、いくら無期雇用として働きたいと言っても、誰でもなれるわけではありません。
というのも、無期雇用派遣になるにはいくつかの選考があり、そこで受からなくてはならないからです。
派遣会社 | 選考基準 |
---|---|
アデコ | 書類選考、適性検査(能力・性格・ストレス診断)、面接 |
テンプスタッフ | 説明会、適性検査、面接、最終選考 |
リクルートスタッフィング | 書類選考、WEB説明会、適性検査、WEB面接(1~2回) |
スタッフサービス | 説明会、面接(エリアによって選考フローが異なる) |
パソナ | 一次(書類)選考、二次(適性検査)選考、三次(面接)選考、最終選考 |
ここからも分かる通り、どれも選考は正社員並みに厳しいです。
それに多くの派遣会社は、これから経験を積んで活躍する機会の多い【若年層】をターゲットにしています。
つまり、30代以降の人は、それだけで20代よりも圧倒的に不利になってしまうということ。
実際、「30代で将来不安だから、無期雇用になるぞ!」と意気揚々に応募しても、あっけなく落ちてしまって結局また派遣・・・となってしまうケースも決して少なくないです。
ツイッターの声
こちら、某「未経験の無期雇用派遣」を唄う会社なんですが、その応募がこれで、これを以て「書類選考」とするそうなんですよ。これだけで何を判断するの?性別と年齢? pic.twitter.com/qHzmEzCowl
— 群青🐾Calico (@PearlBlueCat) April 3, 2021
まとめ
結局、無期雇用派遣は選考に通った人しかなれない
無期雇用派遣のよくある質問
無期雇用派遣にメリットはないの?
敢えてメリットを挙げるとすれば、
- 契約期限がないので精神的に安心
- 派遣先が派遣先を決めてくれるので楽
- 派遣先が決まらない間でも給料(通常6割)が支払われる
といった点があります。
無期雇用派遣に向いてる人ってどんな人?
無期雇用派遣のメリットデメリットを踏まえた上での「向いてる人」は
- 変化に柔軟に対応できる人
- 色々な企業や業界で経験を積みたい!という人
- 正社員に特にこだわりがない人
といった人です。
無期雇用派遣自体とても特殊な雇用形態なので、あらゆる状況でも前向きに取り組める人が向いていると思います。
30代で無期雇用派遣になるには?
年齢を理由に拒否されることは原則禁止にはなっていますが、実際は大手派遣会社の多くが「若手(20代)」をターゲットにしています。
30代で「無期雇用派遣になりたい!」という方は、対象年齢20~40代の、アデコ「キャリアシード」がおすすめです。
各派遣会社の無期雇用派遣サービス比較については「無期雇用派遣6社を分かりやすく比較。特徴(メリット)に大きな違いあり!」を参考にしてください。
無期雇用派遣で後悔しないためにできること
無期雇用派遣で後悔しないために、正社員転職も視野に入れておくようにしましょう。
正社員転職のメリット
- 雇用が安定する
- 給与や福利厚生が充実する
- キャリアアップの可能性が高まる
などがあります。
無期雇用派遣からそのままその派遣先で正社員になれるケースもありますが、可能性は低いです。
直接雇用の話があっても「契約社員」の可能性があります。
現時点でもしあなたが「いつかは正社員に…」と思っているのなら、最初から正社員に絞って転職活動を行ってください。
もちろん派遣から正社員の道は厳しいですが、私は30代(しかも派遣歴10年)でも最終的に正社員になることができました。
- 無期雇用派遣って何だか不安
- あちこちいろんな場所に飛ばされるのは嫌だ
と少しでも思うのなら、1歳でも若いうちに無期雇用派遣ではなく「正社員」という選択をするようにしましょう。
まとめ
表面上はメリットたくさんの無期雇用派遣ですが、蓋を開けるとデメリット(派遣社員が働きづらい事情)がたくさんあります。
現状、無期雇用派遣は派遣社員のためではなく「派遣会社」のためのものと言っても過言ではありません。
今まさに無期雇用派遣を検討している人は、本記事を参考にして「それでもなりたいかどうか?」とよく考えてから決めるようにしてくださいね。