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同一労働同一賃金で無期雇用派遣は「対象」でも安定からは程遠い

2019年10月15日

2020年4月から始める「同一労働同一賃金」

厚生労働省のHPを見ればその概要が載ってますが、正直めっちゃ分かりにくくないですか?

特に有期から無期に転換した「無期雇用派遣」にとっては、果たして今回の同一労働同一賃金の「対象」なのか「対象外」なのか?が一見判断しにくいです。

↓(厚生労働省発行のリーフレットより抜粋)

 

  • 無期雇用フルタイムは「対象外」
  • 派遣労働者は「対象」 ↓ 無期雇用「派遣」は??

結論から言うと、無期雇用派遣も通常の派遣社員(有期雇用)と同じように今回の同一労働同一賃金の「対象」になります。

 

念のため最寄りの労働局に確認をとったところ、ハッキリと「派遣社員はすべて対象です」と言われました。

 

ですが、だからといって「無期雇用派遣もこれから待遇が良くなる!やったー!」と手放しに喜べないのではないのが現状かなと思います。

 

同一労働同一賃金に関して分からないことがあったら、最寄りの労働局に電話して聞いてしまいましょう。

何でも丁寧に説明してくれますし、何よりどこよりも「確実」です。
最寄りの労働局一覧

なお、私は加えてツイッターで知り合ったいーささん(@usg113bkw)にも現状を教えていただき本記事を書いています。

現役派遣会社勤務とのことなので、良ければぜひいーささんのブログ記事も参考にしてみてください。

 

同一労働同一賃金で無期雇用派遣の待遇はどうなる?

基本的には、通常派遣と同じ

同一労働同一賃金が始まった後の無期雇用派遣のこれからの賃金は、通常の派遣社員と同じように「派遣先均等・均衡方式」「労使協定方式」のどちらかによって決まります。

派遣先均等・均衡方式

派遣先にいる同等の社員(無期雇用フルタイム)に合わせる。 同じ業務内容なら待遇も同じに。業務が異なればそれに見合った待遇に。

労使協定方式

派遣会社が締結する「労使協定」を元に賃金が決まる

どちらかになるかは派遣会社によって異なるのですが、実際は

  • たとえ派遣社員に能力があっても、派遣先の規模などで金額にばらつきが出てくる
  • 派遣先企業が、派遣会社に自分の会社の内部情報(社員の賃金など)を提示しないといけない

などといった事情が出てくるので、派遣会社の多くは「労使協定方式」を選択するだろうと言われてます。

無期雇用派遣の時給はどんどん上がり続ける?

派遣の賃金と言えば、以前日本経済新聞にこんな記事があったのをご存じですか?

関連記事(外部)派遣社員、3年勤務なら時給3割上げ 厚労省が指針

この記事を受けて、ネットなどでは「3年待たずに2年でクビでしょ」といった声が目立つのですが、それはちょっと違います。

というのも、記事によると一応制度としては「3年待たず」ではなく「1年目でも」上がるという仕組みになっているんです。

ただ、厳密にいうと「年数に応じて」ではなくて「年数と共に業務レベルが上がっていけば」それに応じて時給があがる、ということです。

労働局の方とこの記事の話をしたら「誤解を生む記事になっていて困る」とおっしゃってました。

なので、たとえば、何年経っても同じ業務をしていたら「時給据え置き」ということは十分に考えられます。

とは言え、基本的に時給が下がらない方針にはなっているので「年々待遇が悪くなる」ということはなさそうです。

無期雇用派遣の将来は「安定」とはいかない

ここまで読むと「無期雇用派遣ってそこまで悪くないんじゃん?」「私も無期雇用派遣になろうかな」という人もきっと少なくないですよね。

ですが、今後を考えると決して「安定」とはいかないです。

というのも、無期雇用派遣は有期の派遣社員同様、待遇が良くなればなるほど派遣先企業にとっては「厄介な存在」になってしまうから。

そして、その結果起こりうるケースとして考えられるのが以下の3つです。

  1. 今の派遣先での就業が終了する
  2. 無期雇用派遣の求人が減る
  3. 無期雇用派遣自体が縮小される

その1:今の派遣先での就業が終了する

これは通常の派遣社員もそうですが、今後は派遣社員の賃金査定が毎年行われるようになります。

  • 年々スキルに応じた業務を任されているなら、時給アップ
  • 毎年同じ業務を行っているなら、仕事ぶりを見て評価

こんな感じになると思われますが、先ほども言ったように、基本「時給が下がることはない」です。

その結果、「派遣にこんなにお金を払いたくないから、もう派遣の雇用を辞めよう」と考える企業が大量に出てくるのは容易に想像できます。

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というか、もう現実に起きてますね…。

また、中には「有能な無期雇用派遣だけ残して、残りの人は就業を終了する」というケースも考えられます。

どちらにせよ、今回の件でずっと長くいた派遣先にいられなくなる人が出てくる可能性は十分にあります。

その2:無期雇用派遣の求人が減る

派遣の雇用を敬遠する企業が増えると、その分派遣の求人数がおのずと減っていきます。

さらに無期雇用派遣の場合は「派遣先は基本的に派遣会社によって決まる」というルールがあるので、求人数が減る=次の派遣先が希望とかけ離れたところになる確率が高くなる、ということでもあります。

この辺は、少ない求人ながらも選り好みできる有期雇用派遣とは大きく異なってきますね。

もちろん無期雇用派遣でも希望の職種や地域はある程度考慮してくれますが、「残業時間」や「職場の環境」などといった細かなことまで希望は出せないです。

また、地域も派遣会社によっては「〇〇県」のように範囲が広いこともあるので、場合によってはすごく遠い県内に派遣される可能性もあります。

それでも無期雇用派遣は、特別な理由がない限りは基本的には断ることはできないです。

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その3:無期雇用派遣自体が縮小される

「これから無期雇用派遣になろう!」と思っても、派遣会社によっては無期雇用派遣自体を積極的に採用しないところも増えそうです。

なぜなら、無期雇用派遣は通常の派遣社員のように「最長3年」という決まりがなく、どんどん賃金が上がり続けるから。

評価次第ではありますが、10年も20年も働いていたらおのずと時給はアップしていくのが自然です。

そんな無期雇用派遣は、本人にとっては良いですが派遣先や派遣会社にとってはかなりの負担になることは目に見えています。

2015年の法改正で一気に人気となった無期雇用派遣ですが、今後は「どんどん減っていくのかな」というのが正直な感想ですね。

最善の策は、できるだけ早く「派遣」を抜け出すこと

前回の法改正もそうですが、今回の同一労働同一賃金もぶっちゃけ「微妙」です。

 

また、今後いろいろな制度ができたとしても、派遣社員にとってそこまで良い条件というのはそうそう出てこないのではないかと思います。(抜け道がある限り、派遣企業は抜け道を探す)

実際、倒産危機の派遣会社も多くありますしね。

大手の派遣会社はそうそう潰れることはないですが、正直派遣の未来は明るくないです。

 

派遣会社自体の存続も危ぶまれる中、正直派遣という雇用自体も今後どうなるか分かりません。

派遣法が改正されるたびに思うのですが、やはり未来の安定を求めるのなら早い段階で「正社員」になってしまうのが一番です。

かくいう私は、30過ぎに派遣歴10年から正社員に転職しました。

今でも「あの時頑張ってよかった」と思いますし、派遣法がどんどん変わる現状を見ていて「ずっと派遣は怖いな」とも思います。

正直、派遣から正社員になるのは決して簡単ではありません。が、今何もしなければ今後ますます自分が追い込まれます。

今後自分の環境が悪くなって転職する意欲さえなくなってしまったら、それこそ何もできないです。

動ける今、そして同一労働同一賃金が始まる今だからこそ、早めに正社員への道を「真剣に」考えるようにした方がいいですよ。

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まとめ

無期雇用派遣は今回の同一労働同一賃金の「対象」
待遇アップになる人もいるが、派遣を敬遠する企業も増える
本当の安定を求めるなら一刻も早く正社員への道を検討すべき

正直、同一労働同一賃金で今の派遣社員が本当に報われればこんなに良い法律は無いです。

が、派遣切りやその他抜け道への厳しい罰則などがない限り、あまり期待は持てない(得をする人はほんの一部)というのが正直なところですね。

とは言え今後また新たな動きがあるかもしれませんので、動向に注目しつつ、しっかりと「正社員」への道も考えるようにしましょう。

 

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