といった疑問にお答えします。
紹介予定派遣と言えば、よくこのようなデメリットが言われています。
そんなこと言われたら、誰だって「紹介予定派遣って何か嫌だな・・・」となってしまいますよね。
でも、実はこれらのデメリットの多くは「間違い」なんです。
厳密には合っている部分もありますが、必ずしも「それが全て」ではありません。
そこで今回は、それらのデメリットについて【私の実体験】および【数々のデータ】からその真相に迫りたいと思います。
紹介予定派遣はやめたほうがいい?数ある「デメリット」の真相
案件自体が少なくなかなか紹介予定派遣になれない

たしかに、紹介予定派遣の案件は正社員や通常派遣の案件に比べてかなり少ないです。
ちなみに大手派遣会社の求人情報で検索をかけてみたところ、このような数字になりました。
【テンプスタッフ】
雇用形態 | 件数 |
通常派遣 | 約37,000件 |
紹介予定派遣 | 約5,000件 |
【スタッフサービス】
雇用形態 | 件数 |
通常派遣 | 約17,000件 |
紹介予定派遣 | 約2,300件 |
【リクルートスタッフィング】
雇用形態 | 件数 |
通常派遣 | 約7,500件 |
紹介予定派遣 | 約1,300件 |
ですが、もともと通常派遣は企業側にとって
- 欲しい人材を必要な期間だけ雇える
- 人件費を安く抑えられる(ボーナスや社会保険などを払う必要がない)
- 派遣会社に紹介手数料を払う必要がない
といったメリットがあるため、多くの企業が取り入れている=紹介予定派遣よりも件数が多いのはある意味自然なことです。
また、日本人材派遣協会が公表している「労働者派遣事業統計調査」によると、コロナかで一時件数は落ちていましたが、2022年の紹介予定派遣の実績は【実稼働者数】【成約件数】ともに前年度比を上回っています。
\前年度比124.4%/
\前年度比130.5%/
さらに、紹介予定派遣の案件は少ないと言われていますが、テンプスタッフだけで5,000件。
スタッフサービスとリクルートスタッフィングを合わせると8,500件以上の案件があります。(中にはかぶっている案件もありますが)
当然ですが、多くの派遣会社に登録すればするほど出会える案件の数も変わってきます。
ちなみに私はこれらの主要派遣会社は全て登録し(+アデコ、マンパワー)、紹介予定派遣の案件をくまなくチェックしていました。
最終的に私はテンプスタッフから紹介予定派遣で正社員になりましたが、その時もいくつもの会社を受けましたし「申し込みたい案件が全然ない…」という状態になることはありませんでしたよ。
紹介予定派遣の派遣先は中小企業が多い

よく、紹介予定派遣というと「採用活動にお金がかけられない中小企業が多い」「他でなかなか人が集まらないような会社が多い」という意見を耳にします。
ですが、平成29年の「派遣労働者実態調査の概況」(厚生労働省)によると、事業者数が多い会社ほど、紹介予定派遣の制度を「利用したことがある」「知っている」と答えているのが分かります。
事業所規模 | 紹介予定派遣制度を 利用したことがある |
利用したことはないが 知っている |
制度を知らない |
---|---|---|---|
1,000人以上 | 31.1% | 56.1% | 9.7% |
300~999人 | 19.6% | 57.5% | 22.3% |
100~299人 | 15.4% | 52.6% | 30.9% |
30~99人 | 9.7% | 41.2% | 47.6% |
5~29人 | 6.0% | 30.6% | 60.5% |
小さな会社は、そもそも制度自体を知らないところが多い傾向があります。
ちなみに、私が紹介予定派遣で入った会社は業界シェアNo1の大企業でした。
また、他に受けた会社も比較的大きな会社が多く、「お金がないから紹介予定派遣を利用している」という雰囲気は一切感じませんでしたよ。
(ただ、個人的には中小企業にも良い会社はたくさんあると思ってます)
紹介予定派遣案件のほとんどは「契約社員」

紹介予定派遣と言っても、必ずしも「正社員」になれるわけではありません。
実際に案件を見てみると分かるのですが、試用期間後の直接雇用として「契約社員」と書かれている案件も少なくないです。
<紹介予定派遣案件の一例>

ただ、だからと言ってその割合は「求人案件のほとんど」ということは決してありません。
なお、「はたらこねっと」にある紹介予定派遣案件で調べたところ、契約社員前提の案件よりも「正社員前提」の案件の方が多くありました。


さらにテンプスタッフの「ジョブチェキ」を調べたところ、全体の紹介予定派遣案件(約5,000件)のうち契約社員前提の案件は約1,600件(約3割)と半数以下でした。

また、契約社員前提の案件の中には「正社員登用実績あり」も600件ほどあります。
個人的には契約社員前提の案件はあまりおススメしたくありませんが、それでも「いずれ正社員になれればいい」という人は、契約社員前提の案件に応募してみるのも一つの手です。(ただし、正社員登用を積極的に行っている会社に絞る)
「正社員前提」と「正社員登用ありの契約社員」案件を含めると、より多くの案件から選ぶことができますよ。
応募するまで企業名が分からない

紹介予定派遣の案件は、職種や勤務時間、最寄駅や給与などの条件が事細かに書かれているのですが、肝心の「企業名」が載っていません。
エントリーをすれば詳細を教えてもらうことができますが、それまでは「どこの会社か」といった具体的な事は分かりません。
とは言え、紹介予定派遣の企業先の多くは、派遣社員が就業しているなど、すでに取引のある企業が中心になるので、明らかな「ブラック企業」はまずないと言って良いです。
また、たとえエントリーした後でも、企業名や詳しい内容を聞いて「ちょっと違うな」と思ったら辞退して大丈夫です。
なので、少しでも気になった案件があったらとりあえずエントリーしてしまいましょう。そこまで構える必要はないですよ。
最近は紹介予定派遣でもエントリー前に企業名を公開している案件も増えてきました。
「テンプスタッフ」「スタッフサービス」「リクルートスタッフィング」も、それぞれ絞り込み段階で『企業名公開』をチェックできます。
企業名を知ったうえで応募したい、という方はぜひこちらを活用するようにしましょう。
試用期間を経ても結局社員になれる可能性が低い

令和2年度の「労働者派遣事業報告書の集計結果」によると、このような数字になっています。

これだけ見ると「紹介予定派遣で派遣されても、半分くらいしか社員になれてないの?」と思うかもしれませんが、それは間違いです。
まず、①の段階で職業紹介を実施している人が全体の約75%に減るということは、残りの25%は何らかの理由でそもそも職業紹介を求めていないということになります。
(社員になる前に見極められるのが紹介予定派遣の良いところだと思っています)
また、実際に職業紹介を申し込んだ人のうち、7割以上がそのまま社員として雇用されています。
この数字を高いと見るか低いと見るかはあなた次第ですが、少なくとも私は「低くはない」と感じています。
実際私や同様の友人たちは、みんなそのまま試用期間後特に問題なく正社員になることができました。
体感的には、余程のことがない限り(スキルが限りなく低い、周囲とのコミュニケーションが取れない、経営悪化など)そのまま直接雇用されるケースの方が多い気がしますね。
派遣期間の有給は引き継げない(またゼロからのやり直し)

通常、有給は続けて6ヶ月勤務し、8割以上出勤すれば10日間分もらえます。
ですが、紹介予定派遣の場合は直接雇用になった時に雇用主が「派遣会社」から「派遣先企業」に変わるので、たとえ試用期間で6ヶ月働いていたとしてもまたゼロからのスタートになってしまいます。
なので、有給が与えられるのはさらに6ヶ月後。この点に関しては、正直デメリット以外の何者でもないですね。
ただ、少数派ではありますが企業によっては最初の契約の時点で「派遣期間も勤務期間に含める」といった特約を定めるところもあります。
また、なくても就業前に営業マンに「有給の引継ぎは可能かどうか」を交渉してもらうことで、場合によっては対応してくれる可能性もあります。
ちなみに私の場合は特に休むこともなく半年間突っ走ったので有給がなくても特に問題はありませんでしたが、やはり急な用事や体調不良などを考えると有給はあった方が心強いと感じましたね。
試験が正社員並みに厳しくなかなか受からない

紹介予定派遣は、直接雇用を前提にした求人。いくら最初が派遣社員としてのスタートだとしても、採用試験自体は正社員並みに厳しいところが多いです。
ですが、それでも通常の正社員採用よりは長い目で見てくれるところもあり、経験がなくても受かる可能性も十分にあります。
「即戦力」「実績」だけを見るのではなく
- やる気
- ポテンシャル
- 会社に馴染めそうかどうか(その人の持つ雰囲気)
といったところを重視して採用する企業もあるので、簡単に諦めるのはもったいないです。
現に私は紹介予定派遣で6つ連続不採用になりましたが、7社目で無事受かることができました。
参考記事紹介予定派遣の面接で落ちる理由 6社連続不採用⇒採用になった秘訣を公開
これらを実践すれば絶対に受かる!というわけではありませんが、少なくとも受かる可能性は上がるはずですよ。
紹介予定派遣に強い派遣会社は?
以上、数々の紹介予定派遣のデメリット(と言われていること)についてご紹介してきましたが、一番大事なのは「どの派遣会社を利用するか」です。
正直、派遣会社によって運命はかなり左右します。
案件もそうですが、営業マンの質やサポートに振り回されて転職活動に支障が出たら元も子もないですよね。
派遣会社を選ぶ際のポイントとしては
- 希望の職種の紹介予定派遣案件が多いこと。
- 派遣スタッフへのサポートやフォロー体制が整っていること。
この2つがとても重要だと感じています。
ちなみに、事務で正社員になりたい!という方は圧倒的に「テンプスタッフ」がおすすめですよ。

私もテンプのおかげで無事正社員になれました。
まとめ
紹介予定派遣はとても便利な制度ですが、必ずしも良いことばかりではありません。
ですが、私はそのデメリットを踏まえてもなお紹介予定派遣に挑戦する価値はあると思っています。
今まさに紹介予定派遣の応募を考えている人は、これらデメリット全てをよく考慮した上で、(できれば)前向きな気持ちで積極的に応募してみてくださいね!
【紹介予定派遣】おすすめの派遣会社TOP3!
テンプスタッフ
テンプスタッフは紹介予定派遣の求人のうち約6割が「事務案件」。
中でも多くの大手企業と取引しているので、比較的福利厚生が整っている『ホワイト企業』が多いです。
また私は実際にテンプスタッフの紹介予定派遣制度を利用したのですが、担当のコーディネーターの連絡が頻繁にあり、常に親身になってサポートしてくれたので最後まで安心して転職活動を行うことができました。
(ちなみにその後無事正社員になった派遣先は業界No.1の大手企業でした)
「絶対に事務で正社員になりたい!」という人は、事務求人に力を入れているテンプスタッフへの登録はマストですよ。
スタッフサービス
スタッフサービス(オー人事)はテンプスタッフ同様事務求人に力を入れている派遣会社ですが、中でも未経験OKの求人が豊富という特徴があります。
また、30代が活躍している求人が多いというのも大きなメリットのひとつ。
スタッフサービスなら「30代で派遣から正社員に転職したい!」という人も様々な求人を見つけることができます。
「職歴や年齢に不安がある」という人はスタッフサービスの紹介予定派遣制度を利用する価値は大いにありますよ。
リクルートスタッフィング
利用者の中でも友人の紹介によって登録したという声が多いリクルートスタッフィング。
リクルートという知名度と信頼性から多くの大手企業と取引があり、中には独占求人も多くあります。
また登録後の電話面談やWEB面談が必須ではないので、希望をしなければオンライン上で全て完結できるというメリットもあります。
最初から就業中まで満足度の高いリクルートスタッフィングは、登録必須ですよ!