転職活動において最初の難関である『書類選考』。
「私には即戦力となるスキルがある!」
「会って話せば分かってくれる!」
といくら思っていても、最初の書類選考を通過しなければそれで終わり。
アピールする場も会う事さえ許されず、そのままその企業とはさよならになってしまいます。
とは言え、派遣社員からの転職、特に派遣先の回数が多い中での転職となると
「企業側の印象が悪くないかな」
「これだけで落とされそう・・・」
と不安になってしまいますよね。
そこで今回は、同じように派遣回数が多い筆者が、転職する際の『履歴書の書き方と注意点』をご紹介したいと思います。
筆者プロフィール
✓派遣歴約10年
✓勤務派遣先7社(短期を含む)
✓派遣後の転職経験あり(現在正社員にて就業)
派遣の履歴書を書く時のポイントと注意点
まず、私は履歴書を書く際に以下のことを注意して書いていました。
- 分かりやすく書く!
- 正確に書く!
- 会いたくなるように書く!
これは派遣社員に関わらず超・重要なことです。
特に①と②は派遣社員は一般的な(正社員時の)書き方とは異なるため、少しだけ注意が必要です。
派遣社員の履歴書を書く時の注意点
まず、履歴書を書く際は以下のことに注意するようにしてください。
- 派遣会社と派遣先の両方を書く
- 「入社」ではなく「登録」
- 退職の理由は「派遣期間満了」とする
たとえばアデコに登録、株式会社ABCに派遣社員として働いた場合は以下のように書きます。
派遣社員の場合、退職理由は「派遣契約満了」でOKです。
ただ、たとえば契約途中で自分の都合(転職や介護など)を理由に辞めた場合は「一身上の都合により退職」。
派遣切りなど企業側の理由で辞めざるを得なかった場合は「会社都合により退職」と書きます。
注意
派遣先の中には、会社名や業務内容などを職歴に書くことを禁止しているところもあります。
そういった会社は派遣先と秘密保持(守秘義務)契約を結んでいるはずです。不安なら一度担当に確認をとるようにしましょう。
また、万が一記載NGの派遣先だった場合は、履歴書には「某金融会社」など企業名をぼかして書けばOKです。
職歴が多い場合の履歴書の書き方
これまでの派遣の回数が多く「職歴だけでパンパンになってしまう・・・」という場合は、行をできるだけ少なくする工夫をしましょう。
具体例
- 学歴を最終学歴のみにする
- (ひとつの派遣会社で派遣先が一社の場合)派遣会社と派遣先と1行にまとめる
- (ひとつの派遣会社で派遣先が複数の場合)派遣会社でまとめる
派遣会社→派遣先が一社の場合
ひとつの派遣会社で派遣先がひとつの場合は、派遣会社と派遣先を1行にまとめるとスッキリします。
派遣会社→派遣先が複数の場合
ひとつの派遣会社から何回か別の派遣先に就業した経験がある時は、毎回派遣会社を書く必要はありません。
はじめに派遣会社名を書き、その後に時系列に派遣先を書けばOKです。
書く時のポイント
- 会社名を正しく記載する(前株か後株かなど要確認)
- 就業期間を最後に明記する
- 1マス空ける
②③は絶対ではありませんが、そうすることで一目で分かりやすくなるので個人的におすすめです。
ちなみに履歴書は「職歴記入欄が広いタイプ」を選ぶと余裕を持って書けますよ。
派遣先が変わるのは「転職」と見なさない
派遣先をたくさん記入していると、つい「転職回数が多くて不利なんじゃないか」と不安になってしまいますが、派遣先が変わるのは「転職」とは見なされません。
ただし、短期間での就業が多いと企業によっては不安視されてしまうことがあるので、きちんと説明できるようにしておきましょう。
魅力的な履歴書を書くポイント
履歴書などの応募書類は、いわゆる「ラブレター」。
書面だけでどれだけ相手に「会いたい」と思わせるか?が勝負だと思っています。
そのために、履歴書を書く際にできること&意識したいことをご紹介します。
余白があれば業務内容でアピール
もし履歴書に書けるスペース(行)があれば、派遣会社と派遣先の後に「配属部署」と「業務内容」を書いていきます。
ここは簡潔で良いのですが、もし応募企業にアピールできそうな実績や業務経験があれば意識して書くようにしましょう。
詳しくは別途添付する職務経歴書に書いていくので、ここでは「特に注目してほしい」というポイントを簡潔に書きます。
もちろん派遣先回数が多いと履歴書内で業務内容や実績を書けない場合もあるかと思います。
その場合は、職歴の最後に「詳細は職務経歴書に記載」のような一文を加えると面接官に分かりやすくておすすめです。
正社員としての職歴は優先して書く
もし派遣の他に「正社員」としての経歴があるのなら、その業務内容や実績を優先して(行を割いて)書くようにしましょう。
企業としては、やはり派遣よりも「正社員」としての経歴を重視します。
特にアピールしたい実績がある場合は、数字を使うなど分かりやすく書くと効果的ですよ。
志望動機は具体的に
履歴書に書く志望動機はスペースが限られているためあまり長く書けません。
が、だからと言ってどこの会社でも通用するようなテキトーな文面で埋めてしまったら絶対に見透かされますし、絶対に落ちます。
「その会社だから」という箇所を見つけるためにも、最低限
- 会社の求人情報
- 会社のHP
はチェックするようにしましょう。
私は実際、面接で「うちのHP見た?」と聞かれたことがあります。
どうしてその会社なのか?
その会社で自分のどんな経験やスキルを活かして、どう貢献していきたいのか?
をこれでもかというほど考え、その会社だからこその志望動機を完成させるようにしましょう。
私はまずHPを穴が開くほど見て、会社の独自の特徴やサービスを紙に書くことから始めました。
出す履歴書はコピーをとっておく
同時期に何社も履歴書を送っていると、どの会社にどんな内容を書いたのかが分からなくなってしまいます。
いざ面接に呼ばれた時に一貫性を持って話せるためにも、履歴書は送付前に必ずコピーをとっておくようにしましょう。
【書類選考落ち確定】NG履歴書の例
条件の良い魅力的な求人ほど応募者が殺到し、企業にはたくさんの履歴書が集まります。
そんな中、一目見て「不採用」とならないためにも、最低限以下の点を気を付けるようにしましょう。
文字を走り書きで書く
汚れやしわくちゃな用紙で送る
誤字脱字が多い
文字をびっしり詰め込みすぎている
(志望動機など)空白が多くスカスカ
「明らかに手抜きだな」→「熱意が伝わらない」と思われないためにも、(下手でもよいので)ひとつひとつ丁寧に書くことをおすすめします。
よくある質問
短期派遣は書かなくて良い?
短期、特に社会保険に加入していた場合は、提出書類などからバレてしまう可能性があるので正直に書きます。
仮に加入していないとしても、書かないことで企業側に「空白の期間があるけ何をしてたんですか?」とツッコまれる可能性があります。
そこでうまく答えられるのなら良いかもしれませんが、自信が無い、また少しでも罪悪感があるのなら正直に書いておいた方が無難です。
短期派遣を隠すために、その前後の派遣期間を延ばすのはNGです!
働いていない「空白期間」はどう書く?
実際に働いていない空白の期間があるのなら、その理由を簡潔に記載します。
例
- 〇〇年〇月 資格取得のため勉強に専念(〇月に資格取得)
- 〇〇年〇月 病気療養のため退職(現在は回復し、業務に支障はありません)
なお転職活動が長引いて空白期間ができた場合は、特に履歴書に記載する必要はありません。
その代わり(と言っては何ですが)、自己PR欄で応募意欲や活かせるスキル等アピールするようにしましょう。
働いていた期間が曖昧なんだけど・・・
これまでの派遣歴が多くあると、何年までどこで働いていたのか?記憶が曖昧になってしまうことがありますよね。
そういった場合は、
- 給料明細や銀行の明細を確認する
- (年金に加入していれば)「被保険者記録紹介回答票」を取得&確認する
- ハローワークで雇用保険の加入履歴を確認する
などといった方法をとることができます。
また、派遣会社とやり取りできるのであれば過去の履歴について聞いてみるのもアリだと思いますよ。
まとめ
これまでの職歴が多いと転職の際に不安になってしまいますが、嘘はつかず、分かりやすく、その上で活かせる経験や実績を最大限にアピールするようにしましょう。
派遣先の回数が多いからと言って転職の不利になることはないので、自信を持って書類作成に励んでくださいね。
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