派遣からの転職

「無期雇用派遣になったら時給が下がる」はよくある事。大手派遣会社も例外ではない

投稿日:2018年10月29日 更新日:

派遣会社の無期雇用派遣に興味があるけど、担当者から「今より時給が下がります」と言われた!

これってどうなの?あり得なくない??と理不尽に思う人は多いのではないでしょうか?

たしかに無期雇用派遣になれば「雇用」は安定するかもしれないですが、肝心の時給が下がってしまったら「今までの派遣の方が良かったんじゃ?」という気になってしまいますよね。

悲しいことに、無期雇用になると「時給が下がる」というケースは決して珍しくはありません。

そして一度時給が下がってしまうと、そこから時給交渉をしてもなかなか上がらないです。

今まさに無期雇用派遣を考えている人、「時給が下がるよ」と言われた人は、よく考えて、納得した上でなった方が良いですよ!

 

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「交通費支給で時給が下がる」は得?損?

「無期雇用になると時給が下がる」ケースとして最も多いのが「代わりに交通費が支給される」ということ。

これだけ言われると「得するの?それとも損するの?」と分かりにくいですよね。

具体的に言うと、このような場合には「得するケース」と「損するケース」の両方が存在します。

時給が下がっても得するケース

 

得するケース

交通費と合わせたトータル支払額を計算したら、今までより多い、もしくはほぼ同等の場合

まず、今までの総支払額と、無期雇用になった時の総支払額(想定)を比較してみましょう。

もしその差が今までよりも多ければもちろん「得」ですが、ほぼ同じ金額という場合も、実は時給が下がっても「得」になります。

どういうことかというと、交通費は【非課税】なので、支給額が同じでも、手元に残る金額(税金を引いた金額)が変わってくるんです。

【例】

  1. 【今まで】時給1,300円で8時間、21日働いた場合 ⇒ 給与218,400円
  2. 【無期雇用】時給1,200円で8時間、21日+交通費16,800円をもらった場合 ⇒ 218,400円(給与201,600円+交通費16,800円)

どちらも同じ218,400円ですが、①はまるまる218,400円が課税対象、②はそこから交通費を引いた額の「201,600円」が課税対象になります。

課税金額が少なければ少ないほど所得税が安くなるので、この場合は②の方が得する計算になります。

 

時給が下がって損するケース

では、時給が下がって損するケースとはどういったものでしょうか?

結果から言うと、圧倒的に「損する」ケースの方が多いです。

損するケース

交通費に上限があり、全額支給されない場合

毎日少なからず残業がある場合

有給休暇をとった時

残業となると、今の時給に『×1.25』をした時給になります。

ちなみに、実際に時給が100円違うだけでもこれだけの差が生まれてしまいます。

時給1,300円と1,200円で比較

月の残業時間 時給1,300円の場合 時給1,200円の場合 差額
5時間 1,300×1.25×5
=8,125円
1,200×1.25×5
=7,500円
625円
10時間 1,300×1.25×10
=16,250円
1,200×1.25×10
=15,000円
1,250円
20時間 1,300×1.25×20
=32,500円
1,200×1.25×20
=30,000円
2,500円
30時間 1,300×1.25×30
=48,750円
1,200×1.25×30
=45,000円
3,750円

同じだけ頑張って働いているのに、3,000円も差が開いてしまったら単純に嫌になりますよね・・・。

もちろん、これが時給100円ではなくもっとだったり、残業時間がもっと長かったりすればおのずとその差は広がっていきます。

 

また、有給ととった時も、その賃金は「時給×労働時間」で決まってくるので、当然1日に出る給料に差が出てきます。

基本、時給が下がると頑張って働けば働くほど、そしてたくさん休めば休むほどお金に差が出てくるということになってしまうんです。

 

たとえ今が「得」でもそれがずっととは限らない

今の段階で「得になるかも!」と思っても、残念ながらそれがずっと続くとは限りません。

というのも、実際に働いていると

  • ずっと残業ゼロだったのに、業務が忙しくなって残業をお願いされるようになった
  • 派遣会社の方針で交通費の上限が下がってしまった

となる可能性も決してゼロではないからです。

実際、会社の人件費が削られることで残った人の残業が増えるケースも多いですし、時給だって上がるよりも下がる可能性の方が高いです。

このご時世、どんどん人件費が削られて残った人の残業が増えるケースも多いですし、時給だって上がるより下がる可能性の方が高いです。

そもそも、無期雇用派遣は「派遣元の社員になる」ということ。

つまり、派遣元の事情で何らかの変更があった場合には、基本的にそれに従わなければならないということになります。

たとえ今「得だ」と思っても、決して手放しで喜べないの現状ですね。

 

一旦無期雇用派遣になったら時給交渉はできない?

無期雇用派遣になると、これまでとは違って「派遣会社の社員として」働くことになるので、今までみたいに気軽に時給交渉ができないんじゃないか?と不安になってしまいますよね。

結果から言うと、交渉はできないわけではないのですが、そこから時給を上げるのはやはり「厳しい」のひと言でしょう。

そもそも、通常の派遣の時でさえ時給を上げるのはかなり大変です。

それが無期雇用派遣になると、ある意味派遣会社にとっては「身内」扱いになるので、これまで以上にシビアになること間違いなしです。

ちなみに、ほとんどの派遣会社は、就業規則に

業務内容の変更などによって賃金の見直しを行う必要があると認めた場合は、昇給または降給の改定を行うことがある

と書かれています。

これは完全に派遣元のさじ加減になってしまうのですが、

  • はじめに説明を受けた業務内容と別の業務を行っているとき
  • 通常業務にプラスして別の仕事を任されたとき
  • 派遣先が変わり、今までとは全く違う業務を任されたとき

などといった明らかな理由がない限りは、そうそう時給が上がることはないと考えた方が無難です。

そもそも、昇給しやすい派遣会社だったら最初からHPに高々とアピールしてますよ。

 

大手派遣会社の無期雇用派遣の条件

では、大手の派遣会社の無期雇用はどのような条件になっているのか?

下記の5つの項目で比較してみました。(スマホ・PC共に横スクロールできます)

 

派遣会社
給与体系
給与の内訳
交通費の上限
昇給の有無・条件
賞与の有無
テンプスタッフ
(ファンタブル)
月給制
エリアにより異なる
※東京:月収20万以上
(基本給は不明)
全額支給
(会社規定内)
記載なし
有(年2回)
アデコ
(ハケン2.5)
時給制
原則現在の時給を維持
全額支給
(非課税上限内)
職種や職種レベルの
変更があった場合に昇給降給あり
スタッフサービス
(ミラエール)
月給制
基本給+地域手当
+就業先貢献手当
全額支給
(会社規定内)
年一度の昇給制度あり
(派遣先評価、派遣元評価、自己評価にて決定)
リクルートスタッフィング
(リンクウィング)
月給制
エリアにより異なる
※東京23区:月収20万以上
(基本給は不明)
上限3万円
昇給あり
(具体的な条件は記載なし)
有(年2回)
マンパワー
(M-Shine)
月給制
基本給+諸手当
(地域手当など)
上限あり
昇給あり
(具体的な条件は記載なし)
有(年1回)
パソナ
(プロ社員)
時給制
業務経験等を考慮のうえ
個別に決定
上限1万円
記載なし
記載なし

 

この中で、時給制は「アデコ」と「パソナ」の2社。

ただ、アデコは「現状今の時給を維持」となっていますが、そう簡単に昇給できない環境、および無期雇用派遣のメリットのひとつである「ボーナス」の支給がありません。

参考アデコの無期雇用制度「ハケン2.5」は派遣社員にとって得なのか?調べてみて分かったこと

 

また、パソナは交通費の上限が1万円。さらには交通費を申請すると代わりに時給が60円下がる仕組みになっています。

<働き方改革の死角>手当増 給与減の怪 派遣社員「納得できない」/東京新聞

さらに、この記事によると

パーソルテンプスタッフも無期転換する派遣社員に通勤手当支給を開始したが、やはり時給を変更している。

と書かれており、テンプスタッフの無期雇用も待遇は良くないということが分かります。(本来月給制なので多少引っかかりますが)

また、スタッフサービス「ミラエール」はこの中でもしっかりしている印象ですが、基本給が少ない(14万)ので、せっかくもらえる「賞与」が少なく計算されるというデメリットがあります。

さくら
派遣会社によっても色々あるな・・・。

このように、大手派遣会社もよく見ると、見落としがちな「落とし穴」が意外と多いので注意が必要です。

 

無期雇用派遣になって時給が下がるのって「アリ」なの?

そもそも、無期雇用派遣制度は「雇用の安定を図るためのもの」

でも、フタを開ければ時給が下がって今よりも待遇悪くなるのって、雇用の安定につながってないじゃん!と思ってしまいますよね。

では、無期雇用派遣の賃金について「厚生労働省」はどんなことを言っているのか調べてみたところ、こんな記載がありました。

Q.(無期転換になって)給与や待遇などの労働条件は変わりますか?

A. 給与や待遇等の労働条件については、労働協約や就業規則、個々の労働契約で別段の定めがある部分を除き、直前の有期労働契約と同一の労働条件となります。

つまり、

基本的には明らかに待遇が悪くなるようなことはしてはいけないけれど、もし派遣会社の就業規則に何らかの納得できる内容が書かれていれば、時給が下がっても問題ないよ。

といったことを言っているんですね。

さくら
なんか・・・派遣会社にとって都合がいい条件になってる気がする。

 

そして、大手派遣会社「パソナ」の無期雇用就業規則を見ても

会社はスタッフに対し、同スタッフが従事する業務内容、派遣期間、就業日、就業時間、休憩時間、給与及びその他の労働条件を「就業条件明示書」により示し、スタッフはこれに従うものとする。

また、この場合の就業日及び就業時間はスタッフの就業先により増減変動し、給与は業務内容により会社が個別に定める。

と、まるで「断っちゃダメだよ」といわんばかりの文章が書かれています。

正直、厚生労働省がハッキリと「給料下げるのはダメだよ」と書いていない以上、就業規則に書いてしまえば何でもアリになってしまいます。(別にパソナを否定してるわけではないですが)

さくら
そもそも、国としてはあくまでも『雇用の』安定のための措置だから、細かな賃金までは定めていないんだね。

たしかに雇用の安定にはつながってるけど。。。何か腑に落ちんぞ。

つまり、無期雇用派遣になって時給が下がるのは「アリかナシか?」と聞かれたら、少なくとも『違法にはならない』ということになってしまいます。

 

本当の意味での安定を図るなら「無期雇用」はやめておこう

先ほども言いましたが、無期雇用派遣は通常派遣とは違って「派遣会社の主導権の元で働く」ということ。

時給の上げ下げもそうですが、勤務地や勤務時間などの労働条件も派遣会社が決めますし、無期雇用派遣は基本的にはそれを拒むことはできません。

そう考えると、無期雇用派遣は将来的に見るとかなり不安定な雇用形態であることは間違いないんですよね。

派遣の無期雇用はデメリットしかないと思っているあなたへ。その考え間違っていません。

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ただでさえ「増税」「少子化」「将来年金がもらえるか分からない」と不安定な世の中、少しでも安心して働くためには

ずっと同じ環境で(同じ会社で)

毎年少しずつでも昇給がる給料の元(少なくともいきなり給料が下がったりしない)

といった条件で働くことがとても大切になってきます。

そして、無期雇用派遣はそれと相反するものとなっています。

 

ちなみに、派遣として3年働いた後の施策として「派遣先の直接雇用」もありますが、これも今は問題だらけ。

実際に社員になれれば良いですが、実際はそうなるチャンスさえも掴めない派遣社員が続出しています。

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正直、派遣会社のさじ加減によって大きく人生が変わってしまう無期雇用派遣を選ぶくらいなら、はじめから正社員を選ぶべきです。

私はずっと派遣でしたが、今は紹介予定派遣を経て正社員になることができました。

無期雇用派遣と違って金銭面ははじめからクリアですし、ボーナスはもちろんのこと「退職金」もあります。

「正社員に転職するのはハードルが高い」という方は、一般の転職よりも受かりやすい「紹介予定派遣」がおすすめです。

少なくとも、一生派遣会社に振り回されることはなくなりますよ。

参考派遣から正社員へ!30代女性でもスムーズに転職成功する方法

 

まとめ

無期雇用派遣になって「交通費が支給される代わりに時給が下がる」というのは、う考えても「損」の方が大きいです。

もしそれでも「無期雇用になりたい」というのなら、契約を結んでしまう前に必ずすべての就業規則に目を通し、納得したうえでなるようにしてください。

くれぐれも後になって「無期雇用派遣なんてならなきゃよかった」と後悔だけはしないでくださいね。

▼実際に無期雇用派遣になった人の声を聞く▼

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